はじめに
1975年に「明るい豊かな社会」を目指し、新井青年会議所は創立されました。その後、社団法人格の取得、名称変更を経て、今の一般社団法人妙高青年会議所となり、本年で44年が経ちます。その間多くの先輩諸氏が地域の発展と皆の幸せを願い、弛みない努力と情熱をもって素晴らしい活動をされてきました。その活動と想いは、私たち現役メンバーの心に確りと刻まれています。
現在の日本では、人口減少、労働者の不足、高齢化による社会保障等の問題がますます顕著に表れてきています。このままでは間違いなく社会基盤を不安定にさせていくことでしょう。我々青年世代は地域の明るい未来のために、この現実から目を逸らすことなく今以上の危機感を持ち、地域に対してあるべき姿や進むべき方向を示して、活発に行動を起こさねばなりません。
新しい時代の始まり
平成というひとつの時代が終わり新しい時代が始まります。ものごとの始まりには何かが起こる期待感と喜びがあります。この時代の変わり目に、誰かの手に未来を委ね期待するのではなく、自らが率先して動くことが肝要です。たとえ今が苦しい状況でも、自身が行動することで新しい変化の起点にもなります。勇気を出し、一歩前へ踏み出すのです。皆の想いが合わされば、大きな力となり必ず未来を変える一歩となります。我々青年会議所も時代の先駆者として、新たに一歩を踏み出し活発に活動していきましょう。
妙高の魅力
妙高は全国でも数少ない特色のある国立公園を有し、霊峰妙高を中心とした山々とその裾野に広がる雄大な自然に囲まれ、四季折々に美しい色彩と魅力を放ちます。豊富な湯量を誇る温泉、自然を活かした数多くの産業とリゾート地があり、この自然から受ける恩恵こそ、可能性に満ち溢れた妙高地域の財産です。
しかしこの素晴らしい魅力と財産の尊さに、私たちはどのくらい関心を寄せているのでしょうか。当たり前すぎて、考えたことさえ無いかもしれません。まずはこの地域の未来のために、より多くの方々から妙高の魅力について関心を寄せていただくことが重要だと考えます。改めて知ることで、自分の住まう地域の価値をより一層見出すことができるのではないでしょうか。その気づきから自ら住まうまちの大切さを考え、未来へ残すために活動しようとする意識が生まれるのです。はじめは小さな活動でも継続することで意識が高まり、この故郷に住み続けたいという想いが生まれるはずです。その想いこそ地域の発展に欠かせない地域に対する愛着なのです。我々青年会議所にしかできない柔軟な発想で妙高の魅力を発信し、地域を愛する心を育みましょう。そして誰もがずっと住みたいと思える、魅力溢れる妙高を未来へ残すのです。
子どもの未来
私には小学生の子どもが2人おり、笑顔や寝顔を見ればどんなことも頑張れます。いつの時代も子どもは地域の宝であり、今後の社会を支えていくためにも子どもの存在は欠かせません。また、子どもたちの成長は現代社会が抱えている課題を解決する鍵と成りえます。現在の子どもたちを取り巻く環境は少子化や核家族化、家族の就労環境の変化により大勢で遊ぶ機会が減りひとりで過ごす時間が増えてきているのが現状です。インターネット環境の発達は良い影響もある一方で、そのような子どもの動画鑑賞やSNSによる対話の習慣化等が、成長の妨げになっている要因のひとつだと私は考えています。
子どもはいつの時代も大人がつくりだした環境の中で、精一杯対応して強く生きているものなのです。子どもが話しかけているのにスマートフォンを使っている親。動画やゲームを見せていれば、子どもは静かにひとりで遊んでいて手がかからない。心あたりはありませんか。子どもは学校だけではなく、地域社会や周りの大人との関わりのなかで学び成長するのです。子どもの成長のためにも何が必要なのかをしっかりと考え理解し、大人としての責任と親としての愛情をもって、未来の担い手である子どもが元気良く遊び笑顔で、明るい夢を描けるよう事業を展開してまいります。
連携による新たな可能性
「青年会議所しかない時代から青年会議所もある時代」と言われるようになってから久しいですが、青年会議所以外にも活力のある団体が数多くあります。それらの団体がそれぞれの目的を持ち、多種多様な活動を行うことで、地域において必要な力となっています。その団体と協働することでお互いの足りない部分を補完することができるなら、新しい可能性が生まれ、地域の新たな力と成りえます。
近年では当組織も新たな団体との連携を推進し、交流の機会をつくりました。これにより災害への備え、スポーツを通じた青少年育成、妙高地域の情報発信等、より良い事業展開を行うことが可能となります。また一般社団法人妙高青年会議所には、先輩諸氏によって長年培われた、自衛隊をはじめとした他団体や地域の枠を超え4つの青年会議所が協力し活動するRINX-4といった強固なつながりがあります。このつながりを更に深めるのは勿論、新しい発想で他団体と連携し、地域活性に取り組んでまいります。
メンバーの成長
我々青年会議所は、多種多様な職業、地位、年齢のメンバーが平等な立場で集まり、活動しています。また1年ごとに組織が再編成され、役職をはじめそれぞれの仕事が変わる稀な組織です。これにより様々な価値観や感性にふれる機会があり、各会議や事業活動での経験や反省を積み重ねメンバーは成長します。しかしメンバーとしての「自覚」と「責任」をもって活動しなくては、意味がありません。「誰かが助けてくれる」、「自分は大丈夫だろう」では自身の成長にはつながらないのです。また、青年会議所は地域のリーダーを育成する場でもあり、ここで得た経験やスキルは自身の一生の財産となり、社業や地域コミュニティーで活かすことができます。メンバーの成長こそ組織の力となり、地域の活性化につながるのです。青年会議所メンバーであることに誇りをもち、自己研鑚に励みましょう。
組織の活性化
組織の活性化にはメンバーの増員は重要課題です。全国の青年会議所では会員の減少が叫ばれており、当組織も人ごとではありません。これは社会的要因だけではなく、青年会議所に対して感じる魅力の欠如も要因のひとつだと考えます。まず我々が青年経済人としてのあるべき姿を見せ、この組織でしか学べない価値や活動の成果をしっかりと発信しなくてはなりません。また組織全体で拡大活動に取り組む体制を整え、単に人を増やすだけでは無く、地域を愛する想いを共有できる同志を集めるのです。地域のリーダーと成る人財を多く育てることが、魅力的な組織づくりへと必ずつながります。そしてメンバーが事業や活動を通じ充分な経験を積めるよう、環境づくりに取り組み組織の活性化を図ります。
楽しく活発に活動しよう。Be ACTIVE!!
青年会議所は課題解決のために会議を重ね、納得するまで議論を行い、多くの時間を費やしひとつの事業をつくり上げ実施しています。何事もそうですが、進んで楽しんで行うことにより、結果に差がでるのではないでしょうか。忙しい、時間がないとなる前に早い段階で準備し、効率よく物事を進めればストレスなくできるはずです。まずは自分自身が楽しめる環境を整えましょう。私たちは「明るい豊かな社会」を築くために活動しているのです。失敗を恐れず青年らしく活発に活動し、悔いのない1年にしましょう。
45周年記念事業に向けて
2020年、一般社団法人妙高青年会議所は45周年記念事業を行います。まずは私たちが生まれる前から熱い想いを持ち、地域の未来のために活動をし、組織をつないでくださった先輩諸氏に、心から敬意を表し感謝申し上げます。そしてこの45周年記念事業は、ご支援ご協力いただいております地域の皆様、関係諸団体、各地青年会議所の皆様へ改めて感謝の意を表す大切な事業でもあります。この事業を成功に導くために、本年度の段階で準備組織を立ち上げて計画を進め、メンバーの意識を高めてまいります。
先輩諸氏の築いてこられた伝統と受け継いできた想いを絶やすこと無く、我々の更なる想いを積み重ね未来へつなぎましょう。
結びに
私は生まれ育ち、家族と住み働くこの故郷妙高が大好きです。私が青年会議所活動を行えるのは、家族やたくさんの方々に支えていただき、社業を営んでいける恵まれた環境のおかげです。「この妙高のために、何か恩返しがしたい」私の素直な想いです。今まで多くのことを学び、多くの仲間との出会いを与えていただいた青年会議所に感謝し、素晴らしきメンバーと共に力を合わせ、愛する妙高地域の活性化のために青年会議所活動に活発に取り組んでまいります。
関係各位並びに地域の皆様からのより一層のご理解とご協力を賜りますことを、心よりお願い申し上げ私の所信といたします。
スローガン
Be ACTIVE !!
基本方針
・地域の明るい未来のために、活発に行動しよう。
重点事業
・ACTIVE妙高事業の実施
・未来へつなぐ人づくり事業の実施
・妙高連携活性事業の実施
・会員の拡大と資質の向上
・地域並びに各種団体等との連携
・45周年記念事業に向けた準備
・継続事業の実施