一般社団法人妙高青年会議所2022年度理事長 山川 恵介
はじめに
妙高青年会議所の歴史は、1975年10月8日に全国593番目の青年会議所として承認され、新井青年会議所が設立されました。その後時代に即した活動を行うために名称の変更や法人格を移行し、現在の一般社団法人妙高青年会議所が存在しており、今年で創立47年目の歩みを進めようとしています。その間様々な時代の転機ともいえる事象が発生し、その度に先輩諸氏の弛まぬ努力で、妙高地域発展のために寄与してまいりました。昨今では、新型コロナウィルスの世界的流行が起こり、ここ妙高地域においても様々な影響を及ぼしている中、新しい生活様式という慣れない環境の下、ウィルスとの共生社会を強いられるようになりました。そして先の見えない将来の不安が高まると共に、経済が衰退しつづけ様々な問題が山積しています。
はたしてこのような情勢の中、5年後、10年後の明るい未来は描けるのでしょうか。明るい未来の創造は私たち青年世代の手にかかっています。様々な問題から目を背け、いつか誰かが解決してくれるだろうという、そのような考えは捨て去らなければいけません。他人事ではなく当事者意識を持って、行動を起こさなければ持続可能な社会の実現は不可能です。これからの日本は地方が輝かなければなりません。地域経済が発展すれば日本経済もおのずと発展していき、豊かなまち、心豊かな人々が集まるまちは、必ず明るい未来を描けるはずです。
私たちの活動においても事業計画の大幅な変更を余儀なくされることもあり、思うような事業を展開できず歯がゆい思いをしてきましたが、これまでの常識が通用しない時代だからこそ、変化を恐れずまちづくり、ひとづくり事業を発展させる積極的な挑戦が求められます。先人達から受け継いだ勇気と、築き上げてこられた知恵と経験、更にこの時代に青年として直面している我々の感性を結集し、先駆者としての気概を持ち活発に活動してまいります。
妙高地域の未来の為に
冒頭で書いた通り、新型コロナウィルスの蔓延により妙高地域にも多大なる影響を及ぼしています。様々な市民イベントが中止となるなど、行動が制限され市民の皆様のストレスは計り知れないものがあり、感染が落ち着いたとしてもいつまた流行が起こるかもしれないという不安がつきまとっています。子どもたちにおいては、家にいる時間が増えたことによって直接体験するという機会の減少、目標としていたことの成果を発揮する機会の減少や完結できないもどかしさ、SNSやオンラインゲームへの依存による人間関係の希薄化など、コミュニケーション不足による影響は人間形成において大きな問題です。
一方で観光地としての妙高に目を向けると、グリーンシーズンには様々な分野の合宿地として多くの人が集まり、ウィンターシーズンでは訪日外国人の増加により賑わいを見せておりましたが、コロナ前と比較すると大幅に減少しており、人々の活動の自粛は経済の停滞のみならず、活力の低下に繋がり、妙高地域の未来に暗い影を落としかねません。
まちづくりひとづくり事業を考えるにあたり、出来ることが限られると活動が消極的になりがちですが、今こそ積極的に行動を起こす必要があります。妙高地域の未来の為にできることは必ずあります。私たち青年世代がまちの明るい未来を描き元気に笑顔で活動し、それを周りに波及させていくことはとても大切なことです。一人ひとりの幸せは多くの人たちの協力があってこそ実現することができるのです。妙高青年会議所には多くの協力団体がいます。多岐にわたる団体と手を取り合い新たな未来を創造し、行動を起こしていきましょう。未来は青年世代にかかっています。そしてその先頭に立つのは私たち妙高青年会議所です。
会員の拡大について
妙高青年会議所は2022年度会員数24名でスタートします。近年会員数の減少に歯止めをかけられず、コロナの影響も受け会員拡大が思うように進んでいない状況が続いています。青年会議所は魅力ある組織のはずなのに何故会員が減少していくのでしょうか。人口減少などの理由はあるかと思いますが、私たちが魅力として感じていることを、会員候補の方に伝えきれていないのではないかと考えています。広報活動は私たちの組織においてこれまで以上に強化すべき点です。妙高青年会議所を広く伝える機会を積極的に創出し、妙高地域の皆様にもっと知っていただくこと、認められること、さらに必要とされることで、新たな同志と出会える機会の創出に繋がるはずです。全てのメンバーが自分たちの活動にプライドを持ち、自信を持って会員候補者に伝えていけば、必ず多くの同志が集うと確信しています。スピード感をもって積極的に取り組みましょう。会員拡大は待ったなしです。
組織運営について
青年会議所においての良い組織とは、将来にわたり存続し続けるための会員開発、世の中に尽くしていくための地域貢献、組織内のメンバーが心地よく活動していくための組織運営、この3要素が融合し調和していることです。どれが欠けても組織は円滑に運営出来ませんが、大元の土台になる部分の組織運営を確り行えなければ、会員開発もできなければ、地域に貢献することもできません。
また、会員が増えると組織がまとまりにくくなることも事実です。そのために理念・ビジョンを共有すること、そして発信し続けることが大切です。組織に欠かせない共通目的を常に意識することが結束力の強化に繋がります。さらにメンバー一人ひとりの成長が欠かせません。ひとえに成長といっても多岐にわたりますが、青年会議所には学びのヒントが多くあります。その学びを見逃さないように大切に向き合っていきましょう。成長の一つに例会においての規律を学び規律を重んじることも大切と考えています。だらだらと緩すぎる組織は成長も存続もしません。しかし硬すぎて楽しくない組織も同様です。ONとOFFを確り行い、未来永劫続いていく魅力ある妙高青年会議所であるために笑顔で活動してまいりましょう。
青年会議所の魅力
青年会議所には、20歳から40歳までの青年であれば個人の自由な意思によって入会できます。この年齢制限は青年会議所の最たる特性であり、組織を常に若々しく保ち、積極的に活動していくための源となっています。また、多種多様な職業、地位、年齢、そして感性の異なるメンバーが平等な立場で集う団体であり、修練、奉仕、友情を信条とし、地域活性、人財育成を柱として社会の課題に挑戦し持続可能な地域を創ることを目指す団体です。私は青年会議所に入会し9年がたちます。恥ずかしながら入会当初は積極的に活動する会員ではありませんでした。会議や事業で同じ時間を共有するにつれ、自身の力のなさを痛感しました。仲間たちの言動一つひとつが高いレベルにあり、それが青年会議所の活動で学び磨かれたことだと知りました。この妙高地域で生業を持ちそれなりの経験とプライドをもって過ごしていましたが、自身がとても小さい人間だと気づいたのです。とても悔しい気持ちになったと同時に、妙高地域の未来を考え、光を見出すべく活動している妙高青年会議所メンバーのみんなに大変感銘を受けたことを憶えています。2017年初の委員長職をきっかけに様々なことに挑戦し多くの学びを得て、野心しかなかった私に志を持たせてくれました。人を育てるということはとても大切なことです。人が育たなければ未来はありません。青年会議所はそれができる団体です。手を取り合い共に立ちあがりましょう。その先にある自分自身の成長が妙高地域のため、未来を担う子どもたちのために必ず繋がることを私は信じています。
2022年度スローガン
笑ったときの笑顔、楽しいときの笑顔、やりきった笑顔、悲しいけど無理して笑顔、様々な笑顔がありますが、私は笑顔があればどんな困難も乗り越えていける気がしてなりません。笑顔は自然に生まれるものであり、作るものではないと考えることが一般的なのかもしれません。楽しくないのに笑えないよ、と思う方もいるかもしれません。こんな言葉があります。「楽しいから笑うのではない、笑うから楽しいのだ」人生には様々な出来事があり、自分の望むようなことばかりではありません。私はそのような時こそ笑顔で取り組むことが大切ではないかと考えます。やりたくないこと、楽しくないこと、それでもやらなければならないことは沢山あります。その対象と向き合いどうしたら有意義に吸収できるのか、どうしたら楽しい時間を過ごせるのか、一つひとつ大切に向き合っていきましょう。しかし青年会議所の活動が重荷に感じてしまう時もあります。それはそうでしょう。社業や家庭、地域活動など私たちそれぞれの立場で様々なことに取り組んでいます。皆多忙な中で青年会議所の活動をしているのです。自分のことを誇りに思ってください。周りの同志たちを誇りに思ってください。前向きに取り組んでいること自体が素晴らしいことです。全てに時間を割くことは難しい時もあるかもしれませんが、笑顔で取り組んでみましょう。きっと違う景色が見えてきます。そしてそれが自身の力となり、さらにはまちの力となるのです。一人ひとりが笑顔の中心になれるよう活動出来たらとても素敵なことだと思います。
結びに
妙高青年会議所が歩んできた歴史の中でも、今まで誰も経験したことのない予測困難な時代に突入してしまいましたが、私たちは歩みを止めるわけにはいきません。そこで励みになるのは青年会議所で出会った多くの仲間です。素晴らしき仲間たちと力を合わせ、妙高地域の為にできることは全部やる、そのような強い気持ちを持って私たちは挑戦し続けます。
関係各位並びに地域の皆様からのより一層のご理解とご協力を賜りますことを心よりお願い申し上げ私の所信とさせていただきます。